母乳がアレルギーを防ぐ?:目次(table of contents)

母乳育ちはアレルギーと無縁?

なぜ母乳で育つとアレルギーになりにくい?
「母乳?ミルク?」という質問は人を傷つけることがあります。
これは乳幼児をかかえる母親が聞かれたくない質問として有名なものです。
病気や体質のため母乳が出ない女性や、
ミルクでないといけない理由のある女性もたくさんいるのです。
「母乳で育てるといい子になる」とか、
「ミルクの方が楽だから母乳はやめろ」となど、
持論を誰かに押し付けてしまう風潮は、まだ存在しているようです。

ではなぜそんなにも赤ちゃんを育てるのに母乳でないといけないとこだわる人がいるのでしょうか?
実際、母乳で育った赤ちゃんはアレルギーになりにくいという報告があるのです。

赤ちゃんの体に腸内細菌が必要な理由

私たちがまだ母親の胎内にいたころは、体はほぼ無菌の状態を保っていました。
外の世界に誕生するときの産道を通る際や、
母親からの母乳、
その他さまざまな外の環境から赤ちゃんは細菌に感染します。
感染した細菌が腸内に住み着いたものを「腸内細菌」と呼びます。
これらの細菌はけっして悪いものなのではなく、
赤ちゃんの成長にとても重要なものなのです。
腸内細菌が存在することで、
赤ちゃんが食べたもの、
飲んだものを消化・吸収しやすいようサポートする働きがあるのです。
そして成長するにしたがって母乳だけでなく離乳食、
大人と同じような食事をとっていく過程で、
独自の腸内細菌の集落である「腸内フローラ」を形成していくのです。

なぜ母乳がアレルギーを防ぐのか

母乳で育った子供の腸内には、
ビフィズス菌が多くなります。
ビフィズス菌は善玉菌とよばれるものの一種で、
腸内の健康を保つために必要なものです。
このビフィズス菌が多い腸内フローラを持っていると

  1. 「免疫力が高まる」
  2. 「便通が良くなる」
  3. 「セロトニンなどのホルモンが分泌されやすい」

などの効果があります。
また、ビフィズス菌は
「食物繊維」や「オリゴ糖」を原材料として「短鎖脂肪酸」というものを作り出します。

この短鎖脂肪酸というのは脂肪酸の一種で、
アレルギー症状を抑える働きがあるといわれます。

そのためビフィズス菌を多く持っている場合、
赤ちゃんが将来的にアトピーや花粉症などのアレルギーになりにくくなるという報告があります。

短鎖脂肪酸とはなにか?

短鎖脂肪酸は脂肪酸の一種であり、
私たちの体内で活躍する短鎖脂肪酸には「酪酸」「酢酸」「プロピオン酸」があります。
この酪酸にはアレルギー症状の改善のカギとなる制御性T細胞を増やす効果があるという報告があります。
この細胞によって腸内の免疫細胞のバランスを整えることができ、
それが将来的にアレルギーの予防につながるのです。

母乳に含まれる成分

赤ちゃんをアレルギーから守る母乳成分としては、以下のものがあります。

オリゴ糖

アレルギー症状を抑える短鎖脂肪酸の材料になるもの。
腸内細菌はこれを発酵することで短鎖脂肪酸を作り出すことができます。

ラクトフェリン

悪玉が成長する原因になる鉄分を奪う働きがあります。

カルシウム、マグネシウム、ミネラル

赤ちゃんの成長にかかせない重要なミネラルです

消化酵素

母乳中の乳脂肪分の消化や吸収を助けます

ラクトペルオキシダーゼ

腸内の悪玉菌の活性化を抑制します

ミルクで育てる方法?

ミルクで育てる場合はどうすればよいの?
白澤抗加齢医学研究所所長、医学博士の白澤卓二医師の著書腸が変われば病気にならないによると、

母乳で育てるのが難しい場合、
赤ちゃんにオリゴ糖を含むミルクを与えるとよいでしょう。
オリゴ糖にはビフィズス菌を増やす効果があります

とのことです。
市販のミルクを購入する際、
短鎖脂肪酸の材料となる「オリゴ糖」が成分に含まれているかを参考にするのがおすすめです。
腸内環境が整っていることで、おなかの調子が悪いことが原因だった夜泣きが減ったとの報告もあります。
赤ちゃんの今後の将来のために、
今できることをできる範囲でしてあげたいものです。