第2の脳

腸はなぜ「第2の脳」とよばれるのか?
腸がないと生きてはいけないのでしょうか。

腸は第2の脳であるという言葉があります。
脳がなければ私たちは全く動くことができない以前に、
生きていくことができません。

脳は体のすべての動きをつかさどり、
視覚や嗅覚、
味覚などの感覚、
快や不快などの感情をコントロールしています。

そんな脳の2番手であるのが腸?というのなら、
どれほど重要なものなのでしょうか?

腸の働きというのは消化や吸収ぐらいだと思っている人も多いかもしれません。

しかしさまざまな研究から、腸には脳と深い関連があるということまでわかってきているのです。

・私たちはストレスで胃腸をおかしくする

脳で感じたストレスが、さまざまな体調不良を引き起こすのはよくあることです。
朝、学校や会社に向かう途中で、胃痛や下痢、腹痛などの症状が出てあわててトイレに駆け込む人もいます。
なぜ、一見関係のない胃腸などの臓器に、緊張感やストレスが反映されてしまうのでしょうか。

じつは腸と脳には「脳腸相関」とよばれる双方向性の関係が存在しているのです。

脳の状況は腸に、そして腸の環境が脳へと影響することがわかってきました。
たとえば、うつ病などの精神病患者の腸内環境を調べてみると、
ほとんどの人の腸内フローラが悪い状態にあったそうです。

どの人も腸内細菌である「悪玉菌」が増えすぎていて、
「善玉菌」の働きを抑制していたそうです。

脳で感じたストレスが悪玉菌を増やしてしまうことで、
便通の悪化や免疫力の低下などの不調を引き起こします。

また、腸内環境が悪ければストレス耐性が弱まり、
脳にもそのダメージが反映されやすくなってしまいます。

・腸が脳よりも優れている点

腸は脳からの指示がなくても、
独自の働きによって私たちの健康を守ってくれています。

たとえば食中毒の時がそうです。
それが毒であると判断できずに食べてしまった食中毒食品を、
腸は独自の判断によって下痢などで外へ排出し、
体に害を及ぼさないようにしてくれるのです。

また、腸が動く「ぜん動運動」というのもけっして脳が支持をしているのではなく、
腸独自の働きによってされているもの
です。

こうした腸の働きにより、私たちは健康で安全に生活できるようになっているのです。

・悪玉菌は本当に悪なのか

腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」とおおきく3種類にわけられます。

その中の悪玉菌が増えすぎることが、脳に悪影響を及ぼすと先ほど説明しました。
しかしこの悪玉菌、本当に邪魔な存在でしかないのでしょうか。

悪玉菌には代表的なものだと「ブドウ球菌」「大腸菌」「ウェルシュ菌」などがあり、
発がん性物質を作ったりガスなどの毒素を産生するといわれます。

腸内環境は酸性に傾いているのが理想とされますが、
悪玉菌が増殖しすぎると環境はアルカリ性になり、
その結果免疫力の低下が引き起こされます。

このように悪玉菌は増えすぎると問題なのですが、
じつはまったく存在しなくなっても悪影響になってしまうのです。

悪玉菌が存在するメリットは、

  • 「肉類などのたんぱく質の分解を助ける」
  • 「赤ちゃんの免疫を活性化させる」
  • 「善玉菌の働きをサポートする」

ことなどが挙げられます。

悪玉菌が存在しなければ肉類に含まれるたんぱく質の分解が難しくなります。
牛肉や豚肉にも体を作るのに必要な栄養素が含まれていますが、
悪玉菌が存在しなければその栄養素の吸収が難しくなってしまいます。

また、赤ちゃんが成長する過程で、
悪玉菌が存在することで体に害を及ぼすものに対する免疫機能が高まるといわれます。

生まれる前は無菌状態であった赤ちゃんが独自の腸内フローラを形成する過程に、
悪玉菌の存在は不可欠なのです。

これらのことからも、
悪玉菌は増えすぎても少なすぎてもいけないということがわかります。

善玉菌:悪玉菌:日和見菌は2:1:7の割合で保たれるのが理想とされます。
自分の体の様子を見ながら、
自分自身と相談をしながら腸内環境をよりよく改善していく姿勢が重要になります。