腸を整えると頭が良くなる理由

女性の社会進出によって両親共働きという家庭が増えてきました。
それがきっかけで外食をする機会が増えたり惣菜を買ってきて家で温めて食べるだけという食卓も増えているそうです。
その一方で食育という言葉が広まり、
今一度、家族の団らんの中心であった食卓を見直そうという意見も出てきました。
頭脳明晰で賢い子は心も満たされていて、
本当に体に良い食事をしていると耳にします。
さらに最近では腸内環境が頭の良し悪しに影響するという報告もされています。
ではなぜ、腸を整えることが「賢さ」に影響するのでしょうか。

慢性的なストレスで記憶力は低下する

慢性的に脳が受けたストレスが「脳の炎症」「記憶障害」「うつ」などと関連性があるとの報告があります。

マウスによる実験で、
ストレスを受けたマウスは本来覚えていたはずのものを思い出せなくなるという結果が出たそうです。

ストレスと記憶力には因果関係があり、
うつ病などの精神疾患患者はその特徴が顕著になります。

また、
幼少期に生理的なストレスを受けた子供はそうでない子供と比較して認知機能が低かったという報告もあります。

これは長期的なストレスによってコルチゾールが多量に分泌され、これによって脳の海馬が委縮してしまうことが原因ではないかといわれてます。

このことから、慢性的にストレスを受けることで脳に何らかの変化が起き、
心身の健康を損なうだけでなく記憶力も低下してしまうことがわかりました。

腸内細菌の存在が脳神経に影響を与える

母親の胎内にいたころは無菌状態だった人間が、
誕生し生活を送る中で徐々に微生物を摂りいれて腸に住み着いたものを腸内細菌と呼びます。

そしてこの腸内細菌には幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」をつくる作用があります。

このセロトニンは神経伝達物質のひとつであり、
不足するとうつ病などの精神疾患にかかりやすくなるとされています。

実際にうつ病の人の腸には善玉菌が少なく、
腸内環境が悪化しているという報告があります。

また、自閉症患者にも同じような傾向がみられたそうです。

セロトニンの9割以上が腸で作られ、
残りは脳で作られています。

腸で作られたセロトニンは脳にある「血液脳関門」によって脳内に直接入ることはできないと考えられます。

しかし腸内細菌が腸にある神経を刺激することによって、
その刺激が迷走神経を介して脳内の中枢神経へと作用するのではないかという説が出てきました。

また、腸内に十分なセロトニンが存在していないと脳内のセロトニンが減る可能性もあるそうです。

腸で作られたセロトニンは血液脳関門というバリアーの存在によって、
直接は脳内に入ることができませんが、
セロトニンを作る材料となるものは、
そのバリアーを通過することができます。

そしてその材料は腸内の環境が良くなければ十分な量を体内に吸収することができません。
これらのことからも、腸内環境を整えることがいかに脳の活動に重要なのかがわかります。

乳酸菌の摂取によって「記憶力」「集中力」が向上する

善玉菌の一種である乳酸菌にはその中にも多くの種類があり、
それぞれで受けられる恩恵も変わってきます。

2012年に飲料メーカーであるカルピスから、
大変興味深い研究が発表されました。

同社保有の乳酸菌である「Lactobacillus helveticus(ラクトバチルス・ヘルベティカス)」で発酵されて作られた乳酸菌飲料によって、
記憶力や集中力の向上がみられたことがわかりました。

この研究では物忘れをする平均50.9歳の男女20人に1日1回朝食前に乳酸菌飲料を引用してもらったところ、
8週間後に行った「アーバンス心理学テスト」によって「言語」「集中力」「短期記憶」の向上がみられたそうです。

これらのさまざまな検証から、
腸内環境がいかに脳と深いつながりを持つかがわかります。
加齢による記憶力低下や精神的ストレスによる脳の衰えを防ぐためにも、
日々腸内の環境に気を付けたいものです。