なぜ牛乳を飲むとおなかを壊してしまうのか?
■小学生時代の給食には、毎日のように牛乳が出されていました。
たまにそれがコーヒー牛乳に代わったりフルーツジュースに代わることがありましたが、基本的に牛乳だったことには変わりありません。
とても懐かしい記憶ですが、それと同時に牛乳を飲むことができない子がどのクラスにも一定数いたように記憶しています。
ただ単に「牛乳という飲み物が嫌い」という子もいましたが、なかには牛乳を飲むとおなかを下してしまうという子もいました。
担任の先生によっては給食を残すことは許さないという方もいたので、そんな牛乳を飲めない子たちは苦労していたのだと思います。
牛乳を飲まないというのは、単なるわがままでしょうか?
学校給食の牛乳と、腸内環境の関係性についてお伝えしたいと思います。

・日本の給食ではなぜ牛乳が出されるのか
いまでこそ給食の定番の牛乳ですが、それより以前は「脱脂粉乳」というものが出されていました。
昭和24年、ユニセフから脱脂粉乳が寄贈されたことがきっかけで給食の定番メニューになったそうです。
それが15年ほど続いて、徐々に脱脂粉乳から牛乳へとシフトされていきました。
そして現在でも、「学校給食法施行規則」によって給食には牛乳が含まれるように決められているそうです。
学校給食法というのは、学校給食法第一条によると子供の食育の推進を図ることを目的とする法律だそうです。
総務省のHPには完全給食というのはミルクが含まれているまたカルシウム不足を牛乳で補うということなどが書かれていました。
たしかに現代の日本人は幅広い年齢層でカルシウムが不足しているといわれています。

・おなかを壊す原因は乳糖不耐性
牛乳を飲んでおなかが痛くなったり、下してしまうことがあります。
その根本的な原因は、乳糖という存在にあるとされています。
この乳糖という成分は牛乳に含まれており、子牛の大切な栄養源になっています。
私たちも赤ちゃんだったころは母親の母乳に含まれる乳糖を分解するために、ラクターゼという酵素が活発に働いていました。
ラクターゼは小腸の上皮細胞に存在し、乳に含まれるラクトースを分解してくれます。
しかしこのラクターゼの効果は成長とともに薄れていき、成人では4人に1人がこの乳糖を分解できない乳糖不耐性であるといわれています。
そもそも大人になっても乳を飲んでいるのは人間くらいなのではないでしょうか。
そう考えると、乳糖不耐性を理解されず、給食を残してはいけないと厳しく叱られていた子供を思うといたたまれなくなります。

・本当に給食に牛乳は必要なのか
「乳糖不耐性の人が多量に牛乳を飲み続けるとアレルギーを発症する可能性があるのではないか」という指摘があるそうです。
また、牛乳からカルシウムを摂ることを推奨されているようですが、日本人の体に合いにくい牛乳から本当に十分なカルシウムを摂ることができるのでしょうか。
牛乳コップ1杯に含まれるカルシウムは約220㎎だそうです。
厚生労働省によると1日に摂取するのが望ましいカルシウム量は700㎎だそうです。
つまりコップ1杯の牛乳で1日に必要なカルシウムが摂れると考えると結構な含有量ですよね。
しかし、体内にカルシウムを摂りいれるにはビタミンDやマグネシウムも一緒に摂らなければ吸収率がガクッと減ってしまうそうです。
そもそも牛乳は日本人の体に合いにくいですし、しかも牛乳をたくさん摂りすぎることで、尿路結石になりやすかったり、他のミネラルの吸収を阻害したり、骨粗しょう症になりやすくなってしまうという報告もあるそうです。
また、カルシウム含有量で比較するのなら「大根の葉」「プロセスチーズ」「厚揚げ」「しらす(干し)」でも効率よくたくさんのカルシウムを摂ることができます。
また、骨粗しょう症予防にはカルシウムを摂るだけでなく、適度に運動をして骨に負荷をかけることも重要になってきます。
最近では「学校給食の牛乳廃止」の運動もみられるようになってきました。
そもそも子供のためを目的とされていた給食ですが、食育のデータは日々新しくなっています。
もしかしたら今後、学校給食から牛乳が消え、お茶やミネラルウォーターが出されるようになるかもしれませんね。