除菌のしすぎが腸をダメにする理由
除菌スプレーや除菌シートなるものが大好きです。
台所回り、食卓周りを掃除する際にこれらの除菌グッズを使えば、なんだかより綺麗で清潔になると思えるからです。
フローリングの床もホコリを掃除するのはもちろん、仕上げに除菌シートでピカピカに磨いたりもします。
菌という名がつくものはなんでも悪いもののように感じて、
清潔を保つためにはなるべくそれらを排除しなければいけないと考えてしまいます。

お弁当や水筒の容器、食器に至るまでなんでも完全に菌を取り除かないと何らかの病気になってしまうのではと不安がよぎることもあります。

しかし何でも「過ぎたるは猶及ばざるが如し」というように、除菌のしすぎがかえって体に悪影響になることがあります。

・除菌しすぎるとどうなるのか
除菌剤や消毒剤などさまざまな製品が市場に出回っており、
きれい好きな人はこれらを多く使用しているのではないでしょうか。

私たちはどうしても菌というのは悪者だと考えてしまいがちです。

しかし私たちの体は、じつはたくさんの菌によって守られているのです。

口の中や腸、皮膚などには目に見えないくらいの多くの細菌が住んでおり、
私たちは共生し合って生きています。

彼らの栄養になるものや住処を提供するかわりに、
細菌たちは私たちにさまざまな恩恵をもたらしてくれています。

まず、私たちの体に住んでいる菌は、外部から侵入した病原菌を排除する働きがあります。
菌やウイルスはどんどん形を変え進化していきますが、
私たちはその進化したウイルスの抗体を持っていません。

それが腸内細菌が存在することによってバリアーとなり、
病原菌を排除しようと戦ってくれるのです。

しかし周囲の環境を除菌や消毒しすぎることによって、
私たちの体に住み着く菌までもが減ってしまうのです。

私たちの体を守ってくれる菌がいなければ、
免疫力は低下しどんどんウイルスや細菌などに対して体は弱くなっていってしまいます。
結果としてさまざまな感染症にかかったり、
アレルギーを起こしやすくなったり、
がんになりやすくなる危険性が出てきます。

・胃癌の原因であるピロリ菌も必要な菌?
日本人に多い胃潰瘍や胃がんの原因にもなる「ピロリ菌」もまた、
完全な悪とはいえないようです。

じつはピロリ菌は悪玉菌ではなく、
日和見菌の一種であるということがわかってきました。

腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に大きく分かれます。
その中の日和見菌は、腸内環境が整っているときには悪さはせず、むしろ胃腸の働きをサポートする働きがあります。

そしてさらにピロリ菌は、満腹感や空腹感を脳に知らせる働きがあるといわれます。
ピロリ菌が存在してくれることによって満腹具合が脳にスムーズに伝わり、
食べ過ぎを防ぐ効果があるのです。

しかしストレスなどによって胃腸が荒れた場合、
ピロリ菌が炎症を促したりがんの発症の原因にもなってしまうことがあります。

善にも悪にもなりうるピロリ菌とは、肥満やがんの予防のためにもうまく付き合っていく必要があるのかもしれません。

・人は無菌状態では生きていけない
人間が地球上でさまざまな菌やウイルスに対抗して生きていくためには、
腸内細菌などの常在菌の力を借りる必要があります。

そして自らの菌の力を弱めないためにも、
その数を増やしたり鍛えたりする必要があります。

菌は悪者だと決めつけ消毒しすぎたりせず、
共生のパートナーとして尊重する考えも必要かもしれません。

腸内環境を改善するために、
運動やストレッチを日常化して腸のぜん動運動を促進したり、

発酵食品を毎日摂って腸内の善玉菌を増やすことがおすすめです。

また、発酵食品を単体で摂るのではなく、
善玉菌の働きをサポートする「食物繊維」「オリゴ糖」も一緒に摂ることでさらに効果が高まります。

日ごろからバランスの良い食事を心がけ積み重ねることこそが、
除菌や消毒よりもずっと重要なのかもしれません。