腸内細菌の研究は日進月歩
世界中で腸内フローラ・腸内環境の腸内細菌叢(腸内フローラ)に生息する
腸内細菌の分析研究が飛躍的に進展しています。

次世代シーケンサーによる腸内細菌解析により
腸内環境バランスの重要性が指摘され
様々な疾患が腸内細菌が関係していることが判明し続けています

近年の目覚ましいコンピュータ解析技術の進展によりさらに解析技術も進化しています
便解析により様々な疾病リスクがわかる時代への突入です・・・

次世代シーケンサーによる全ゲノム解析により、腸内細菌叢全体の遺伝子情報の解析ができる時代の幕開けです

腸内細菌と脳神経

人間などの腸管内で生息している細菌を腸内細菌と言います

最先端では腸内細菌と脳の関係が注目されています

腸内細菌が脳神経に影響を与えているのです

腸脳相関
腸は第二の脳と言えるほど神経ネットワークがあり研究も進んでいます

神経伝達物質セロトニンの90%以上が腸で作られています

ただし、腸内セロトニンと幸福物質の脳内セロトニンは別物です

サイコバイオテクス

精神状態を変化させる微生物

腸内細菌が脳神経の発達に影響を及ぼしていることも明らかになっています

腸内細菌の数

腸内細菌の種類は1000種以上、その数は1000兆個と言われています

この膨大な腸内細菌の量は約1.5kg(成人男子の場合)もの重さです

人間の細胞数は67兆個ですから、腸内細菌数1000兆個はすごい数字です

信じられない数の腸内細菌が私たちのお腹に生息しているのです

最近の研究では、腸は第二の脳と言われるほど重要な臓器であり、

腸内細菌を構成する個別の菌研究が著しく進化しているのですね・・

善玉菌と悪玉菌

腸内細菌叢は、赤ちゃんの時に形成されています

母親の産道通過がビフィズス菌など腸内細菌に触れる最初の体験と言われえいます

その後加齢等により、赤ちゃんでは約100%のビフィズス菌が、
還暦の60歳頃には、1%以下に減少するのです

腸内細菌は善玉菌と悪玉菌・日和見菌に分けられています

善玉菌と悪玉菌のバランスは善玉菌2:悪玉菌1が理想とされています

日和見菌を加えると

善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7のバランスが最適とされています

細菌細胞など特徴や構造

細菌の形
桿菌(かんきん)
細長い棒状・円筒状
kannkinn
球菌(きゅうきん)
球形
kyuukei

らせん菌
細長い菌体がらせん形になったスピロヘータなど

酸素
好気性菌
増殖に酸素が必要、酸素を利用
嫌気性菌
酸素がない状態で増殖、酵素を利用
通性嫌気性菌
酸素があってもなくても増殖、酸素で呼吸、酵素で発酵する菌
他に酵素で発酵する菌がある
芽胞
乾燥・温度や栄養状態により芽胞になり、最適環境で増殖

細胞壁
細胞壁をもつ細菌の分類
グラム陽性菌
グラム陰性菌

腸内細菌って?どんな菌?何をしている?

細菌にはいい菌も悪い菌もいるらしい。では「いい菌」とは一体何か。いいか悪いかというのは、私たちの一方的な見方だけれど、できることなら虫歯菌のような痛そうなものではなく、自分たちの体に有益な存在だけ近くにいればいいのになと思います。私たちの腸内に住み着くさまざまな細菌は、食べ物の消化や吸収のみならず、必要なビタミンやホルモンまで合成してくれるらしいのです。彼らは一体何者なのか。私たちに何をしてくれているのか、そして彼らが存在することで何かデメリットはないのか、説明していきたいと思います。

・感染して住み着いた?!そもそも腸内細菌とは何か
腸内細菌とは人などの哺乳類の腸に生息している細菌のことです。成人の腸に住む腸内細菌は、その重さは合計1~1.5㎏ほどの重量になるといわれます。母親の胎内にいる間はほとんど無菌状態だった私たちですが、生後数時間ほどで外の環境や母親の母乳などからさまざまな微生物に感染します。そうしてそのまま体に住み着き、宿主である私たちと「共生関係」を築くようになります。

・人間と腸内細菌は共生している
私たちが食事をして腸内に届いた食べ物を栄養源として、腸内細菌は発酵をし、さまざまな代謝産物をつくりだします。この代謝産物が私たちが生きていく上で必要なビタミンだったりホルモンだったりします。またほかにも、外の世界から侵入してきた病原体を排除してくれる働きもあります。私たちが彼らに栄養を与える代わりに、彼らもたくさんの恩恵を私たちに与えてくれているのです。

・腸内細菌が作り出すものは何か
腸内細菌が生成するビタミン類としては、「ビタミンK」「葉酸」「ビタミンB2」「ビタミンB6」「ビタミンB12」「パントテン酸」「ビオチン」などが挙げられます。
生成するホルモンは「セロトニン」「ドーパミン」があります。ドーパミンは運動調節やホルモン調節、意欲などに関わる神経伝達物質です。セロトニンは別名・幸福ホルモンともよばれ、神経内分泌や体温調節、睡眠などに関与しています。
また、腸内細菌は私たち人間が消化しにくい食物繊維やオリゴ糖を嫌気発酵することによって「短鎖脂肪酸」に変換しています。短鎖脂肪酸は「上皮細胞の増殖」「ミネラルを吸収するためのエネルギー源」「肝臓や筋肉などの臓器での代謝」「脂肪の合成」「ぜん動運動の促進」などさまざまな働きを担っています。現在、生活習慣病との関連性があることから“がん、肥満、免疫系の疾患、糖尿病などの予防”に利用できるようさまざまな研究がなされています。

・腸内細菌を敵に回してはいけない理由
腸内細菌は「腸内フローラ」とよばれる細菌の群れを形成しています。腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分けることができます。この3つは2:1:7の状態で存在しているのが理想とされ、その割合でいる状態が私たち人間にとってメリットが多くなります。しかし何らかの影響でそのバランスが崩れることによって「悪玉菌」が増殖することで、デメリットの方が多くなってしまうのです。デメリットとしては「免疫力の低下」「便通の悪化」「精神が不安定になる」「吹き出物やしわなどの肌荒れ」「体臭や口臭」などさまざまです。免疫力の低下はさまざまな細菌やウイルスに感染しやすくなり、インフルエンザやがんなどのきっかけになる可能性もあります。また、精神状態の悪化や肌のコンディションの低下は老化を加速させます。私たちは健康に長生きするためにも腸内細菌を味方につける必要があるのです。

・今後注目される腸内細菌の研究とは
近年患者数が増えている「大腸がん」や「生活習慣病」、またうつ病などの精神疾患の改善にも腸内細菌の効果があると期待されています。大腸がんを引き起こしやすい細菌や、予防しやすい細菌などたくさんの種類が存在します。細菌も人と同じで一概にいいや悪いと言えないのではないのでしょうか。いい面も悪い面も受け止めることが大切だと考えます。私たちは彼らとともにこれからもずっと共生していく運命なのですから。

腸内細菌が大腸がんを予防

なぜ腸内細菌の存在が大腸がんを予防するのか

日本人女性のがん死亡原因第一位とされているのが大腸がんです。大腸である「盲腸」「結腸」「直腸」のいずれかに発生し、現在、日本では肺がんの次に多いがんといわれています。大腸がんは誰にでもなりうる病気です。発見が早ければ治癒率も高いですが、初期症状が少なく、定期的に健康診断を受けていなければ見逃されやすくなります。最悪の場合、ほかの臓器に転移したりさまざまな合併症を引き起こす危険性も秘めています。がんの発生場所や進行状況によっては人工肛門になる可能性もあります。そんな大腸がんですが、腸内細菌の存在によって予防することができるとの報告があるのです。

・大腸がんと腸内細菌の関係
大腸がんの原因として「高齢化」「食の欧米化」などが挙げられます。またそれに加えて、「腸内環境の乱れ」が関係しているといわれます。腸内環境が悪い状態が続くと毒素が発生し、炎症性腸症候群(通称:IBD)や大腸がんの発生に関与するとの報告があります。腸内細菌である「悪玉菌」が発生する毒素は老化を進めたり、発がん性物質を作り出すとのこと。それでも腸内環境には悪玉菌の存在は完全には悪だといえず、ある程度は必要だと考えられています。しかし腸内環境が乱れ、腸内細菌である「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」のバランスが崩れてしまうことで大腸がんの引き金になる可能性が出てくるのです。

・大腸がんを引き起こす腸内細菌
米ミソネタ大学の研究グループによって、大変興味深い事実が判明しました。本来、私たちの健康に有益であるとされる腸内細菌ですが、その中でも悪玉菌の一部で大腸がんを引き起こすものを特定したそうです。それが「フソバクテリウム」「プロビデンシア」の2つになります。大腸がんの組織と同じ人物の正常部位の組織から腸内細菌のDNAを採取し、その菌種特定することに成功しました。この研究が今後、大腸がんの予防や治療に生かされることが期待されています。

・腸内細菌が大腸がんの予後にも関係する
大腸がんの予後の良し悪しに、腸内細菌の存在が関係しているという報告があります。大阪大学などのグループによる研究が2016年4月25日付けの米医学誌ネイチャー・メディシンに掲載されました。それによると“大腸がんの予後がいい症例では、腸内細菌ががん組織に入り込んで炎症を起こし、活性型T細胞(がん細胞への攻撃を後押しする細胞)を増加させていることがわかった”とのこと。つまり“細菌と炎症に対応するために免疫機能を高めようと活性型T細胞が増加し、その結果、がん細胞への攻撃も高まった”というわけです。今後、がん治療を行う際の腸内細菌の治療への活用が期待されます。

・良い腸内細菌は大腸がんを予防できるのか
腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」が2:1の割合で存在しているのが理想とされます。そしてこの善玉菌が悪玉菌よりも優勢であれば、悪玉菌が作る毒素を抑制することができます。つまり、発がん性物質である悪玉菌の毒素を、善玉菌を増やすことで抑えることができるのです。また、乳酸菌は免疫細胞である「NK細胞」を活性化し、これががん細胞を攻撃することで大腸がんを予防するといわれます。乳酸菌などの善玉菌を増やすポイントは「食生活」にあります。漬物や納豆などの発酵食品には乳酸菌などの善玉菌が多く含まれます。この乳酸菌を日々体内に摂りいれることで腸内のバランスを整える効果があります。発酵食品の摂取量が多い滋賀県は、全国で大腸がんでの死亡率が最も少ないといわれています。滋賀県の特産である「ふなずし」は琵琶湖などでとれるフナを発酵させたもので、郷土料理として親しまれています。また、隣が京都ということからも漬物もよく食卓に出されるとか。これらの食生活を日々積み重ねることが、大腸がんの予防につながっているのだと考えられます。